
還暦祝いに限らず、贈り物をする場合は熨斗(のし)紙と呼ばれる掛け紙をするのがマナーです。
のし紙には表書きや水引きがつきます。
普通のお店で買物をする場合は店員さんがつけてくれたり、聞いてくれたりしますが、ネットなどで買い物をする場合は自分で選ぶ必要がある場合もありますので、何をどのようにつければよいのか一般的な内容を理解しておくとよいでしょう。
本記事ではのしや表書きの書き方、また水引きのマナーについて紹介します。
のしの基礎
のしは贈答品の掛け紙などにつけられるもののことです。
古くはお祝いの品に添えられていた鮑が、時代の移り変わりとともに和紙で伸し鮑をデザイン化したものを添えるようになったことが現在の風習に残っています。
そのため贈り物を贈る際の掛け紙にはのし、水引きが付けられ、表書きが書かれています。
水引きの基礎と還暦祝いの水引き
のし紙やご祝儀袋などにつけるひものことを水引きと言います。
水引きはご祝儀、不祝儀ともに使用しますが、結び方がいくつかあり、ご祝儀、不祝儀の時で使い分けます。
■蝶結び
お祝いなどに一般的に使用される水引きは蝶結びです。
蝶結びは何度でも結び直せることから、何度でも繰り返し起こってもよいお祝いや日常の贈り物につける習慣があります。
一方で、「結びきり」は固結びともいい、一度きりのお祝い事に使用されます。婚礼関係や弔事関係、傷病見舞、全快祝いなどの時に利用されます。結び切りは紅白の紐が使用されます。
還暦のお祝いは「蝶結び」を使用するのが一般的です。
人生で一度きりのお祝いではありますが、長寿のお祝いは何度お祝いしても良いものですので蝶結びが使用されるのですね。
■あわじ結び
なお、関西ではあわじ結びがよく使用されます。
あわじ結びは固く結ばれており、解こうと思えば解けますが簡単には解けないということで、ご祝儀、不祝儀の両方に使用されます。
昔はアワビが贈り物として大変重宝され、アワビを贈り物とする際に使用されたため鮑結びとも呼ばれる結び方です。
長寿祝いごとの表書きの種類
のし紙には表書きを書くのが一般的です。
長寿のお祝いの際の贈り物の表書きには「長寿のお祝い」「寿福」などが使用され、特に還暦の時には「祝還暦」「寿還暦御祝」「賀華甲」等が用いられます。
その他の長寿のお祝いの際の表書きは以下の通りです。
■長寿のお祝いの表書きの例
年齢 | 名称 | 表書きの例 |
---|---|---|
すべて | 長寿のお祝い | 長寿のお祝い、寿福、敬寿 |
60歳 | 還暦 | 祝還暦、寿還暦御祝、賀華甲 |
66歳 | 緑寿 | 祝緑寿、寿緑寿、緑寿御祝 |
70歳 | 古希 | 祝古希、寿古希、古希御祝 |
77歳 | 喜寿 | 祝喜寿、寿喜寿、喜寿御祝 |
80歳 | 傘寿 | 祝傘寿、傘寿御祝 |
88歳 | 米寿 | 祝米寿、賀米寿、米寿御祝 |
90歳 | 卒寿 | 祝卒寿、卒寿御祝 |
99歳 | 白寿 | 祝白寿、賀白寿、白寿御祝 |
100歳 | 百寿 | 祝百寿、祝上寿、上寿御祝 |
なお、表書きの下の部分には贈った人の名前を書きます。贈った人が複数人いる場合は全員の名前を記載し、入りきらない場合はグループ名を記載するのが一般的です。
マナーを抑えて気持ちの良い贈り物を
還暦のお祝いの場合は、家族への贈り物になりますので、厳密に行う必要もないと思いますが、贈る方が高齢の方でマナーに詳しい方だと、マナー違反をしているとそれだけで気分を害されるものですので、きちんと抑えておいたほうが良いポイントではあります。
特に義理のお母さんへのプレゼントなどの場合はチェックしておくと、無駄な失点が減って関係もスムーズになります。
心を込めれば良いと考える方も多いですが、相手がありマナーがある以上、わざわざマナー違反をする必要はありませんので、マナーはきちんと抑えて気持よくプレゼントを贈りましょう。