高齢者の人口移動は東京からの転出が最も多く、被災地からの転出は一服

高齢者の方のイメージとして、持ち家を持っていて引っ越しはしない方が多いイメージがありますが、還暦や定年を機に首都圏を離れ、地元に帰ったり、理想の暮らしを求めて新たな場所へ引っ越しをするという方も多いようです。

本記事では高齢者の方の都道府県をまたいだ移動がどの程度あるのか、またその傾向について紹介したいと思います。

転出超過数のTOPは東京、大阪で転入超過の上位は埼玉、千葉、神奈川

総務省が発表している高齢者の都道府県別の転入・転出超過数は以下の通りです。

■都道府県別の高齢者の転入・転出超過数
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転出を見ると、東京都が最も多く5,227人となっています。大阪の801人がそれに次ぎ、25の都道府県で転出超過となっています。

東京都の転出超過数は前年比865人の増加となっており、高齢者の東京離れが見て取れます。

転入超過数は埼玉県、千葉県、神奈川県が多くなっており、22県が転入超過となっています。

転出超過のトップが東京で、転入超過の上位を関東近郊の県が占めていることから、高齢者が都心を離れて、関東のベッドタウンへ移動しているのがわかります。

東京が高齢者に冷たいのか、あるいは高齢者が住みやすい環境や家賃の安いところを求めて移動しているのかは不明ですが、全体的な流れとしては高齢者は東京からベッドタウンへと移動していることが見て取れます。

福島、宮城、岩手など被災地の転出超過は一服

また、平成24年の転入出の傾向を見る上では福島、宮城、岩手などの東北地方の傾向も見逃せません。

東日本大震災の影響から平成23年は福島、宮城、岩手などの被災県からの転出が大幅に増えましたが、平成24年の転出数は減少しています。

このような統計だけを見て、震災の被害や復興の状況について理解することは難しいですが、高齢者の転出という意味では一服した感があり、今後転入の流れにすることができるか注視する必要があります。