3つに分類される都道府県別の高齢者の家族類型とその背景

還暦のお祝いをはじめ長寿のお祝いは家族ですることが一般的ですが、最近では核家族化が進み、親や祖父母とは別居しているという方も多くいらっしゃいます。

高齢者の方がどのような家族の形で暮らしているのかを調査した結果がありますので、それを見ながら高齢者の方はどのような家族類型が多いかを見ていきましょう。

総務省の調査では家族の類型を「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」、「親と未婚の子供」、「親・子供夫婦」、「親・子供夫婦と孫」、「その他の親族」に分けています。

高齢者の家族類型を全国で調査した結果、以下のようになっています。

■高齢者の家族類型(全国)
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出典:総務省統計局

年々、「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」が増加して、「親・子供夫婦」、「親・子供夫婦と孫」、「親と未婚の子供」の世帯が減少していることがわかります。

どの世帯が多いかで都道府県別の特徴を見る

調査では上記の家族の形の中でどの世帯が多いかで都道府県を3つに分類しています。

  • 類型Ⅰ:単独世帯、夫婦のみ世帯、親と未婚の子供世帯が多い
  • 類型Ⅱ:単独世帯、夫婦のみ世帯が多い
  • 類型Ⅲ:親・子供夫婦、親・子供夫婦と孫世帯が多い

類型Ⅰは、「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」「親と未婚の子供」の家族類型が多く、「親・子供夫婦」、「親・子供夫婦と孫」の家族類型が少ない都道府県です。

類型Ⅱは、「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」の家族類型が多く、「親と未婚の子供」「親・子供夫婦」、「親・子供夫婦と孫」の家族類型が少ない都道府県です。

類型Ⅲは、「親・子供夫婦」、「親・子供夫婦と孫」が多く、「単独世帯」、「夫婦のみ世帯」「親と未婚の子供」の家族類型が少ない都道府県です。

■都道府県別にみた高齢者の家族類型
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出典:総務省統計局

類型ⅠとⅡはともに単独世帯、夫婦のみ世帯が多い都道府県ですが、2つの類型の違いは親と未婚の子供世帯が多いという点です。

このような傾向となる最大の要因は、未婚の現役世代の多さと、親と子の距離です。

そもそも結婚をすると親と子供夫婦になってしまうので、未婚の人が多いことはいわずもがなですが、加えて生活圏が重なっているかが類型ⅠとⅡを分けます。

例えば、親は地方に住んでいるが、子供は実家を出て首都圏で働いているというような場合は、いくら未婚でも物理的に一緒に住むことが難しいので、「親と未婚の子」という世帯にはなりません。

そのため、東京、大阪などの首都圏や、郷土愛が強く地元で働くことが多い沖縄が「親と未婚の子」という世帯が多い類型Ⅰの都道府県となります。

類型ⅠとⅡの違いは、未婚の現役世代が近くに多くいて、かつ親と子が近くに住んでいるかどうかで分かれるのですね。

類型ⅢはⅠ、Ⅱに比べて親と子供夫婦、親と子供夫婦と孫という世帯が多いことで分類されています。

なぜこのような違いが生まれているか明確な原因はわからないようです。

調査では家族と同居する必要性が増す農業を始めとした自営業者の割合が多いと単独ではなく、親と子、親と子と孫の大家族が増えるかも検証していますが、これには相関がないそうです。