高齢者世帯 と現役世帯の消費傾向の違いや特徴(医療費、交際費、教育費)

誰もが気になるお財布事情ですが、高齢者の世帯と現役世代ではお金の使い方にどのような違いがあるのでしょうか。

現役世代は、結婚、不動産の購入、教育費など、何かとお金のかかるイメージがあり、逆に高齢者はライフステージごとの支出は終え、少し余裕があるように思えます。

実際のところはどうなのか、本記事では高齢者はどのようにお金を使っているかを見ていきたいと思います。

高齢者世帯は医療費、交際費の比率が高い

総務省が調査した全世帯平均、高齢者世帯、現役世帯それぞれの支出割合を示したものが以下のグラフです。

■高齢者世帯の支出割合
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出典:総務省統計局

黒線が全世帯の支出割合で、全世帯平均の支出割合を1にしたとき、高齢者世帯、現役世帯でそれぞれ各支出をどの程度支出しているかを表しています。

高齢者世帯の支出は赤線で示されていますが、特徴的なのは教育費の低さと、保健医療およびその他の消費支出、中でも交際費の割合の高さでしょう。

■高齢者世帯の支出の特徴

  • 「教育費」が総世帯平均の10分の1程度と低い
  • 「保健医療費」が総世帯平均の1.36倍程度と高い
  • 「交際費」が総世帯平均の1.45倍程度と高い

教育費については、総世帯平均の0.09倍と顕著に低くなっています。

高齢者世代の子供はすでに成人して社会に出ていることがほとんどですので、教育費についてはほとんどかからなくなっているという世帯が多いようです。

一方で、保険医療費の支出の割合が高くなっている点も特徴的です。

年齢もあり、健康の維持にお金がかかり、健康促進に力を入れてお金もかけているという高齢者の志向が見て取れます。

またその他の消費支出、特に交際費の支出割合が高い点も特徴的であると言えます。

これは子供や孫へのおこづかいやプレゼントにお金を使っていることを表しています。

教育費がかからなくなった分を自身の健康や、子、孫世代への贈り物にお金をかけているとも考えることができますね。

親や祖父母にはこれからもお世話になるので長寿のお祝いは盛大に

家によって異なりますが、高齢者世代は、自分の世帯以外の子や孫に対して、贈り物をしたりして、今後様々な場面でお金を使ってくれることが多くなります。

もらいっぱなしになるというのは家族とはいえ、悪いものですし気が引けます。

還暦などの長寿のお祝いは、子どもや孫から親や祖父母へお祝いをする数少ない機会です。

予算が厳しいなど、各家庭の事情もあると思いますが、これからもお世話になることを考え、ぜひ盛大にお祝いをして一生の記念にしてあげたいですね。