平均寿命の都道府県別順位の年次推移と長野県の躍進

最新の都道府県別の平均寿命の順位は別記事で紹介しましたが、年ごとに順位は変動しています。

推移を見ると日本の中でどの都道府県の寿命が伸びていて、どの都道府県の寿命が縮んでいるかを見ることができ、全体の傾向をつかむことができます。

本記事では平均寿命の都道府県別順位の年次推移を見ていきます。

平均寿命の都道府県別順位の年次推移

平均寿命の都道府県別順位の年次推移は以下の通りです。

■平均寿命の都道府県別順位の年次推移(女性)

順位 1965年 1975年 1985年 1995年 2000年 2005年 2010年
1 東 京 沖 縄 沖 縄 沖 縄 沖 縄 沖 縄 長 野
2 神奈川 東 京 島 根 熊 本 福 井 島 根 島 根
3 静 岡 神奈川 熊 本 島 根 長 野 熊 本 沖 縄
4 岡 山 岡 山 静 岡 長 野 熊 本 岡 山 熊 本
5 広 島 静 岡 岡 山 富 山 島 根 長 野 新 潟
6 京 都 島 根 香 川 岡 山 岡 山 石 川 広 島
7 愛 知 広 島 神奈川 静 岡 富 山 富 山 福 井
8 和歌山 鳥 取 山 口 山 梨 山 梨 鳥 取 岡 山
9 兵 庫 福 岡 長 野 広 島 新 潟 新 潟 大 分
10 鳥 取 山 梨 鳥 取 宮 崎 石 川 広 島 富 山

参照:厚生労働省

全体の傾向を見ると、最も大きな変化は長野県の躍進でしょう。

長野県は1985年ころからTOP10に顔を出すようになり、調査ごとに順位をあげて最新の調査で沖縄を抜いて1位になりました。

その他の都道府県の順位はそこまで大きな変化はなく、TOP10には12から15くらいの都道府県が少し、順位を変えたりしながら推移しています。

沖縄、熊本、島根あたりの都道府県は特に安定して上位となっているようです。

沖縄はずっと1位を守っていましたが、2010年に長野県に抜かれてしまったので、次回調査の時にどのように順位が変わっているかで今後の傾向が見えるかもしれません。

長野県の30年間続けた取り組み

長野県が平均寿命の順位を上げていったのには、県をあげて取り組んだ30年間の取り組みの成果といえます。

長野県は元々塩分のとりすぎで脳卒中の多い県でした。そのような状況を打破するため、減塩運動やKKP運動という運動を促進する活動をしてきました。

活動を始めたのが1980年ころと言われていますので、30年かけて長寿日本一となりました。

ローマは1日にしてならずを地で行くこの地道な活動が大きな成果を生み出したのですね。

今後、長野の天下は続くのか、長野と同じ取り組みや違うアプローチで上位をうかがう都道府県があるのか、注視していきたいですね。